会社の中のいろいろな役割（仕事）

たとえば商品をつくる会社では、どんなものが売れているか調査したり、商品を企画する仕事（企画・マーケティング）や、商品をつくる技術の研究や開発をする仕事（研究開発）、商品をつくる仕事（生産・製造）などがあります。

商品ができたら、たくさんの人に知らせる仕事（宣伝・広報）の人が、テレビやインターネットなどで宣伝します。そして、商品をくわしく説明して販売する仕事（営業・販売）をつうじて、商品を売ってお金をもうけます。

会社の建物や備品などを管理する仕事（総務）や、人を採用したり、働きかたをチェックする仕事（人事）、お金の出入りを管理する仕事（経理）、システムの管理をする仕事（情報システム）などです。

会社によって、ほかにもいろいろな役割があったり、呼び方がちがう場合もありますが、たくさんの人が同じ目標に向かって、ひとつの会社（チーム）として仕事をしています。

また、多くの仕事では、会社の外の人と一緒にすることもあるので、相手のことを理解する力が求められます。

職種例

企画の担当

1. ビジネス企画担当: 企業のビジョンや目標を踏まえ、戦略的な企業計画を策定します。市場調査や競合分析を行い、新規事業の立案や既存事業の改善策を提案します。
2. マーケティング企画担当: 製品やサービスのマーケティング戦略を立案します。ターゲット市場や顧客ニーズの分析を行い、広告・プロモーション活動、価格設定、販売促進などの施策を計画します。
3. 事業計画担当: 新規事業やプロジェクトの計画を立てます。収益予測やリスク評価を行い、予算編成やスケジュール管理を行いながら、目標の達成に向けた戦略を策定します。
4. 商品企画担当: 新製品やサービスの企画を行います。市場の需要やトレンドを分析し、商品コンセプトの設定や開発計画、ブランディング戦略を策定します。
5. イベント企画担当: イベントやキャンペーンの企画を担当します。目的やターゲットに合わせたイベントのコンセプト、プランニング、予算管理、実施計画を策定し、イベントの成功を目指します。
6. プロジェクト管理者: プロジェクトの進行管理やチームの調整を行います。タスクの割り当てや進捗状況の管理、リソースの配分などを通じて、プロジェクトの目標達成をサポートします。

経営企画の担当

1. 経営企画担当者/ビジネスプランナー: 組織のビジョンと目標の策定、戦略の立案、事業計画の作成を担当します。市場調査、競合分析、ビジネスモデルの評価、新規事業の検討、財務予測などを行い、組織の成長戦略や収益性の向上を支援します。
2. 戦略プランナー/ストラテジスト: 組織の長期的な戦略策定と実行計画の策定を担当します。市場トレンドの分析、業界の動向の監視、競合環境の評価などを行い、組織の競争力を強化するための戦略的な方向性を提案します。
3. プロジェクトマネージャー: 新規プロジェクトや戦略的な取り組みの計画と実行を担当します。プロジェクトの目標設定、タスクの割り当て、予算とリソースの管理、進捗監視、リスク管理などを行い、プロジェクトの成功を確保します。
4. 業績管理担当者/パフォーマンスアナリスト: 組織の業績の監視、分析、評価を担当します。経営指標の設定と追跡、業績レポートの作成、業績の説明と解釈、改善策の提案などを行い、組織の業績向上に向けた戦略的なアクションを推進します。
5. M&A担当者/統合担当者: 企業の合併・買収や事業統合に関わる業務を担当します。市場調査と評価、交渉のサポート、統合計画の策定、シナジー効果の追跡と評価などを行い、事業統合の成功を目指します。

組織全体の視点とリーダーシップ能力、市場や競合のトレンドに対する敏感さ、データ分析と意思決定の結びつけなども重要です。経営企画担当者は、組織の長期的な成長と競争力を確保するための戦略的な役割を果たします。

研究開発の担当

1. 研究員/科学者: 研究開発の中心的な役割を果たします。基礎研究や応用研究を行い、新しいアイデアや技術の開発に取り組みます。実験やデータ解析を行い、結果を評価し、成果物を報告することが主な仕事です。
2. エンジニア: 技術的な問題解決や新製品の設計開発を担当します。製品の仕様や要件を分析し、設計や試作を行います。製品の評価やテストを行い、改善点を特定して実装することもあります。
3. プロジェクトマネージャー: 研究開発プロジェクトの計画、実施、監視、報告など、プロジェクト全体の管理を担当します。予算やスケジュールの管理、チームの指導や調整、成果物の納期達成を確保する役割を果たします。
4. デザイナー: 製品やシステムのデザインに関わります。外観デザインやユーザーインターフェースの設計など、製品の魅力や使いやすさを追求します。
5. 分析・評価担当者: 研究開発プロジェクトにおけるデータ分析や評価を担当します。実験結果や市場調査データなどから傾向やパターンを抽出し、意思決定のための情報を提供します。

生産・製造の担当

1. 生産管理者/プラントマネージャー: 生産ラインや製造プラント全体の管理を担当します。生産計画の立案、資源の配置、スケジュールの管理、品質管理、コスト管理など、製造プロセス全体を効率的に運営する役割を果たします。
2. 品質管理者/品質保証担当者: 製品の品質を確保するための品質管理業務を担当します。品質基準の策定、検査基準の設計、製品のテストや検査、品質改善活動などを行い、製品の品質を維持・向上させる役割を果たします。
3. 生産技術者/プロセスエンジニア: 製造プロセスや生産設備の改善を担当します。生産ラインの設計や改善、自動化システムの導入、生産能力の向上、コスト削減策の提案などを行い、生産プロセスの効率性と生産性の向上に貢献します。
4. オペレーター/ライン作業員: 生産ラインで実際の製造作業を行います。機械や設備の操作、生産ラインの監視、製品の組み立てや加工、品質検査などを担当します。作業手順や安全規定に従い、生産目標を達成するために努力します。
5. 資材管理者/調達担当者: 生産に必要な資材や部品の調達を担当します。供給先との交渉や契約管理、在庫管理、調達プロセスの最適化などを行い、生産に必要な資材の供給を確保します。

宣伝・広報の担当

1. 広報担当者/PR担当者: 企業や組織のイメージやメッセージを公共に対して管理する役割を担当します。メディアリレーションの構築やメディアリリースの作成、プレスリリースの配信、イベントの企画・運営などを通じて、企業のブランド価値を向上させるための広報戦略を策定・実施します。
2. 広告担当者/広告制作担当者: メディア広告やデジタル広告、広告キャンペーンの企画・制作を担当します。ターゲットオーディエンスを分析し、効果的な広告メッセージやクリエイティブを開発し、広告媒体の選定や予算管理を行います。
3. マーケティング担当者: 製品やサービスのマーケティング戦略を策定・実施します。市場調査や競合分析を行い、ターゲット市場を特定し、消費者のニーズや傾向を把握します。プロモーション活動やマーケティングキャンペーンの企画・実施を通じて、顧客獲得や売上増加を目指します。
4. コミュニケーション担当者/コーポレートコミュニケーション担当者: 企業内外でのコミュニケーション戦略を策定・実施します。社内コミュニケーションやステークホルダーとの関係構築、パブリックリレーション、内外のイベントのプランニングなどを通じて、企業のメッセージや価値観を広く伝えます。
5. ソーシャルメディア担当者: ソーシャルメディアプラットフォーム（例：Facebook、Twitter、Instagram）を活用して企業や製品の情報発信やコミュニケーションを行います。ソーシャルメディア戦略の立案やコンテンツ制作、フォロワーのエンゲージメントやフィードバックへの対応を担当します。

営業・販売の担当

1. 営業担当者/セールスエグゼクティブ: 顧客との関係構築や営業活動を通じて製品やサービスの販売を行います。顧客のニーズを把握し、製品やサービスの特徴やメリットを説明し、提案を行います。新規顧客の開拓や既存顧客の維持・拡大を目指します。
2. キーアカウントマネージャー: 重要な顧客であるキーアカウントに対して販売活動を行います。顧客との戦略的な関係構築やニーズの把握、顧客満足度の向上、契約の交渉やアフターサービスの提供などを通じて、長期的な顧客価値の向上を図ります。
3. ルートセールス担当者: 特定の地域や販売チャネルにおける販売活動を担当します。顧客訪問や商談の実施、販売ノルマの達成、販売予測の作成、販売パートナーとの協力などを通じて、地域やチャネルでの販売成果を最大化します。
4. マーチャンダイザー: 製品の陳列やディスプレイ、販促物の配置など、商品の視覚的な魅力を最大化する役割を担当します。販売ポイントの設定やプロモーション活動の企画・実施、在庫管理や売上分析などを行い、売上げの増加とブランドイメージの向上を目指します。
5. インサイドセールス担当者: 電話やメールなどのリモートコミュニケーションを通じて製品やサービスの販売活動を行います。リードの発掘や顧客の要件のヒアリング、見積もりや提案の作成、契約の交渉などを行い、リモート環境での販売成果を追求します。

総務の担当

1. 総務担当者/オフィスマネージャー: 組織内の総務業務全般を管理します。人事、労務、給与、福利厚生、労働法務、社内規則の遵守などを担当します。オフィスの運営や設備管理、セキュリティ管理、予算管理なども行います。
2. 総務が人事を兼任する場合もあります。人事担当者/人事コーディネーター: 採用や配置、人事評価、労働条件の管理、給与計算、労働法規の遵守など人事関連業務を担当します。従業員の労務問題やキャリア開発の支援、トレーニングや研修の計画・実施なども行います。
3. 施設管理担当者: オフィスや施設の維持管理や運営を担当します。建物や設備の保守管理、安全対策の実施、オフィスレイアウトの計画・実施、業者との契約管理などを行います。
4. 総務が法務を兼任する場合もあります。法務担当者/企業弁護士: 法務関連の業務を担当します。契約書の作成や解釈、法的リスクの評価、法的な問題や紛争の対応、知的財産権の管理などを行います。
5. 総務が庶務を兼任する場合もあります。庶務担当者/一般事務担当者: 一般事務業務を担当します。電話対応や来客応対、文書管理、スケジュール管理、会議運営、出張手配などを行います。オフィス内の円滑なコミュニケーションや業務効率化を支援します。

人事の担当

1. 人事担当者/人事コーディネーター: 採用活動や人事評価、給与計算、労働条件の管理、労働法規の遵守など、人事業務全般を担当します。求人広告の作成、選考プロセスの実施、入社手続きの管理、人事データの管理などを行います。
2. 人材開発担当者/トレーニング・ディベロップメント担当者: 社員の能力開発やキャリア支援に関わる業務を担当します。トレーニングプログラムの計画・実施、研修の運営、キャリア開発の支援、評価やフィードバックの提供などを行い、社員の成長と組織の能力強化を促進します。
3. 労務担当者/労務コンプライアンス担当者: 労働法規や労働条件の管理に関わる業務を担当します。労働契約の作成や解釈、労働時間管理、賃金計算や給与体系の設計、労働紛争の予防や解決など、労務に関する業務や法的なリスク管理を行います。
4. 採用担当者/リクルーター: 新たな人材の採用を担当します。求人広告の作成や採用戦略の策定、候補者の選考や面接、内定の提示や入社手続きの管理などを行います。優れた候補者の獲得と適切な採用手続きの実施を目指します。
5. 労働関係担当者/労使関係担当者: 労使関係の構築や労働紛争の解決に関わる業務を担当します。労働組合との交渉や労使協定の策定、労働法規の遵守、労使間のコミュニケーションの調整などを行い、労使関係の円滑化と労働紛争の予防に取り組みます。

人事の職種には、コミュニケーション能力、対人スキル、問題解決能力、法的な知識、データ分析能力などが求められます。また、組織全体を俯瞰し、戦略的な人材マネジメントや組織開発に取り組むための視点や能力も重要です。さらに、個人情報や人事情報の機密性保持や倫理的な責任も求められます。

経理の担当

1. 経理担当者/アカウンタント: 経理業務全般を担当します。経理処理、仕訳入力、伝票処理、仕訳帳や総勘定元帳の作成、月次・年次決算業務などを行います。また、税務申告や監査の対応、内部統制の確保なども担当します。
2. 財務分析担当者/ファイナンシャルアナリスト: 財務データを分析し、経営陣に対する意思決定のための情報提供を行います。財務指標の計算や報告書の作成、業績分析、収益性分析、予算と実績の比較、将来の予測モデルの作成などを担当します。
3. 税務担当者: 法的な税務申告や税務コンプライアンスに関する業務を担当します。法人税、所得税、消費税などの税務手続きの準備と提出、税務調査への対応、税務関連のアドバイスなどを行います。
4. コストアカウンタント: 製品やサービスのコスト計算やコスト管理に関わる業務を担当します。原材料や労務コストなどのコストデータの収集と分析、製品やプロジェクトのコスト予測、コスト削減の提案などを行います。
5. 固定資産管理担当者: 企業や組織の固定資産（建物、機械、車両など）の管理を担当します。固定資産台帳の作成と更新、資産の評価と減価償却、固定資産の保険と保守管理、資産の廃棄処分などを行います。

財務の担当

1. CFO (最高財務責任者)/ファイナンスディレクター: 企業や組織の財務部門全体を統括し、経営陣との戦略的な意思決定に関与します。資金調達の計画と実施、投資戦略の策定、財務報告書の作成、予算と予測の策定など、組織の財務健全性を確保するための戦略を策定・実行します。
2. 財務マネージャー/ファイナンスマネージャー: 財務部門の日常的な運営と管理を担当します。資金調達の計画と実行、予算の策定と管理、キャッシュフローの予測と管理、財務報告書の作成と分析、内部統制の監査などを行います。
3. ファイナンシャルアナリスト: 財務データを分析し、意思決定に必要な情報を提供します。財務指標の計算と評価、投資案件の評価、業績分析、市場調査と競合分析、リスク評価などを行い、経営陣に対して戦略的なアドバイスを提供します。
4. 資金調達担当者/トレジャリーアナリスト: 企業や組織の資金調達とキャッシュマネジメントを担当します。銀行との交渉、資金調達戦略の策定、キャッシュフローの管理、短期資金調達や為替リスクの管理などを行い、資金の最適化とリスクの最小化を目指します。
5. 内部監査担当者: 組織内の内部統制とリスク管理を評価・監査します。業務プロセスと制度の評価、リスクの特定と評価、内部統制の監査と改善提案などを行い、企業のリスク管理とコンプライアンスを確保します。

情報システムの担当

1. システムアナリスト/ビジネスアナリスト: ユーザー要件を分析し、システムの設計と開発を行います。ユーザーとのコミュニケーションを通じて要件を収集し、ビジネスプロセスの改善やシステムの構築を支援します。プロジェクトの計画と管理、要件定義、テストとトラブルシューティングなどを担当します。
2. データベース管理者: データベースの設計、開発、運用、保守を担当します。データの整合性とセキュリティの確保、データのバックアップとリカバリ、パフォーマンスの最適化、データベースのアップグレードとマイグレーションなどを行います。
3. ネットワークエンジニア/ネットワーク管理者: ネットワークインフラストラクチャの設計、構築、運用を担当します。ネットワークのセットアップと構成、トラフィックの監視と最適化、ネットワークセキュリティの管理、ユーザーサポートなどを行います。
4. サポートエンジニア/ヘルプデスク担当者: システムユーザーのサポートと問題解決を担当します。ユーザーからの問い合わせやトラブルチケットの受け付け、システムのトラブルシューティング、ユーザーガイドやトレーニングの提供などを行います。
5. セキュリティエンジニア/セキュリティアナリスト: 情報セキュリティの管理と保護を担当します。セキュリティポリシーと手順の開発、脅威と脆弱性の評価、セキュリティ監視とインシデント対応、セキュリティ意識向上のトレーニングなどを行います。

経営陣

1. CEO (最高経営責任者)/社長: 組織や企業の最高経営責任者であり、ビジョンや戦略の策定、組織の方向性の決定、意思決定の最終責任などを担当します。経営陣や取締役会と連携しながら、組織の成長と持続可能な成功を追求します。
2. COO (最高執行責任者)/ 組織の日常的な運営と業務の効率化を担当します。戦略の実行、部門間の調整、業務プロセスの最適化、リソースの管理、品質管理、効果的なコミュニケーションなどを行い、組織の運営を円滑にします。
3. CMO (最高マーケティング責任者)/マーケティングディレクター: マーケティング戦略の策定と実行を担当します。市場調査、商品開発、広告・プロモーションの計画と実施、ブランド戦略、顧客関係管理などを行い、売上や市場シェアの拡大を目指します。
4. CFO (最高財務責任者)/ファイナンスディレクター: 財務戦略と資金管理を担当します。財務報告、予算策定、資金調達、リスク管理、財務分析、投資戦略などを行い、組織の財務健全性と収益性を確保します。
5. CIO (最高情報責任者)/情報システムディレクター: 情報技術戦略とシステムの管理を担当します。ITインフラストラクチャの戦略的な計画と実行、情報セキュリティの管理、システム開発と運用の監督、ビジネスプロセスの効率化などを行い、情報システムの活用とデジタルトランスフォーメーションを推進します。

経営の職種には、戦略的な思考、リーダーシップ能力、意思決定能力、チームビルディング、コミュニケーション能力などが求められます。また、ビジネス環境の変化に適応し、イノベーションと成長を促進する能力も重要です。